一般に「脂質」といえば悪者の象徴と思ってしまう人も多いのではないでしょうか?
私もそう思っていました。
実は血中の中性脂肪の増加は血管を詰まらせる原因となったりします。そして、内臓脂肪の増加は糖尿病発症のリスクを上昇させたりします。
しかし、脂質は、身体の構成要素として、また生きるうえでのエネルギー源として非常に重要な役割を持っています。
そんな脂質についてもっと詳しく説明しますので参考にしてくださいね。
Contents
1 脂質の種類とその働きについて
脂質は1g当たり9kcalの熱量を持つ栄養素です。
たんぱく質:4Kcal/g
脂質:9Kcal/g
水に不溶で、有機溶媒に溶解する化合物として定義されます。この脂質は、構造によって単純脂質、複合脂質、そして誘導脂質の3つに分類します。
① 単純脂質とは
単純脂質とは、脂質の一種で、炭素、水素、酸素などの元素から構成されています。分子内にアルコールと脂肪酸が結合している化合物です。その主な単純脂質には、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリドなどがあります。
① トリグリセリド
トリグリセリドは、脂質の一種で、私たちが食事から得るエネルギーの主要な源です。その名前は、その構造から来ています。
「トリ」は「3つ」を意味します。「グリセリド」はグリセロール(脂肪酸を結合させる「バックボーン」)と脂肪酸が結合したものを指します。つまり、トリグリセリドは1つのグリセロール分子と3つの脂肪酸分子から成り立っています。
食事から脂肪を摂取すると、体はその一部をトリグリセリドとして肝臓や脂肪細胞に貯蔵します。そして、食事の間隔でエネルギーが必要なときに、体はこれらのトリグリセリドを分解してエネルギーを供給します。
しかし、血液中のトリグリセリドのレベルが高すぎると、心臓病のリスクが高まる可能性があります。特に、高レベルのトリグリセリドはしばしばメタボリックシンドローム(肥満、高血糖、高血圧、高コレステロールなどの一連の症状)や2型糖尿病と関連しています。
トリグリセリドのレベルを適切に保つためには、以下のような生活習慣の改善が推奨されます。
- 健康的な食事:飽和脂肪や砂糖の摂取を減らし、フルーツ、野菜、全粒穀物、リーンプロテインを増やす。
- 定期的な運動:定期的な有酸素運動はトリグリセリドのレベルを下げるのに役立ちます。
- アルコールの摂取を控える:アルコールはトリグリセリドのレベルを上げる可能性があります。
- 体重の管理:適切な体重を保つことも、トリグリセリドのレベルをコントロールするのに重要です。
② ジグリセリド
ジグリセリド(またはダイグリセリド)は、グリセロール分子に2つの脂肪酸分子が結合した脂質です。「ジ」または「ダイ」は「2つ」を意味します。
ジグリセリドは、食品加工においてしばしばエマルション剤として使用されます。エマルション剤は水と油を混ぜ合わせる役割を果たす物質です。これにより、マヨネーズやサラダドレッシングなどの食品が均一なテクスチャーを保つことができます。
また、ジグリセリドは体内でも自然に生成され、代謝プロセスの一部として機能します。たとえば、トリグリセリド(3つの脂肪酸分子が結合した脂質)は、エネルギーが必要なときに体によってジグリセリドに分解されます。
ジグリセリド自体は通常、健康上の問題を引き起こすことはありません。食事中に摂取する脂肪全体の種類と量に注意を払うことが重要です。飽和脂肪やトランス脂肪の過剰摂取は心臓病のリスクを高める可能性があります。
一方、不飽和脂肪(特にオメガ-3脂肪酸)は心臓病のリスクを下げると考えられています。
③ モノグリセリド
モノグリセリド(またはモノアシルグリセロール)は、グリセロール分子に1つの脂肪酸分子が結合した脂質です。「モノ」は「一つ」を意味します。
モノグリセリドは、自然に体内で生成されるだけではありません。食品加工においても広く使用されています。特に、モノグリセリドはエマルション剤として機能します。
これは、油と水が混ざり合わない性質を持つ物質を混ぜ合わせ、安定化させる役割を果たします。これにより、食品は均一なテクスチャーと安定した状態を維持することができます。そのため、パン、ケーキ、クリーム、マヨネーズなどの食品にしばしば見られます。
また、モノグリセリドは食品の賞味期限を延ばす助けとなることもあります。なぜなら、エマルション剤としての役割を通じて、食品が古くなって硬くなるのを防ぐからです。
モノグリセリド自体は通常、健康上の問題を引き起こすことはありません。食品加工の過程で生成されるトランス脂肪が心臓病のリスクを増加させる可能性があります。そのため、食品のラベルを注意深く読みましょう。全体的な食事の中での脂肪の種類と量に気をつけることが重要です。
これらの単純脂質は、食物中でエネルギー源として利用されます。そのほか、体内で脂肪組織に蓄積され、エネルギー供給や保温などの機能を持ちます。過剰摂取による脂肪蓄積は、肥満や動脈硬化などの生活習慣病の原因になることが知られています。
② 複合脂質とは
複合脂質とは、脂質の一種です。脂質の他にも炭水化物、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどが含まれた複合体です。複合脂質には、リポタンパク質、グリコシド脂質、ホスフォリピッドなどが含まれています。
① リポタンパク質
脂質とタンパク質が結合してできたものです。血液中でトリグリセリドやコレステロールを運び、細胞膜の構成成分としても機能します。
② グリコシド脂質
糖と脂質が結合したもので、細胞膜の構成成分として重要な役割を果たします。
③ ホスフォリピッド
脂肪酸とリン酸、または他の分子からできるものです。細胞膜の構成成分として重要な役割を果たします。ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリンなどが代表的なホスフォリピッドです。
これらの複合脂質は、体内で細胞膜の構成や細胞の機能維持などに重要な役割を果たします。そのほか、エネルギー源として利用されることもあります。過剰摂取による複合脂質の異常は、生活習慣病の発症につながることがあります。
③ 誘導脂質とは
誘導脂質とは、体内で合成された物質です。それは、脂質の一種で、主に細胞膜の構成成分やホルモンの前駆体として機能します。主な誘導脂質には、プロスタグランジン、ロイコトリエン、トロンボキサンなどがあります。
① プロスタグランジン
炎症や痛みの制御、血圧調整、血小板凝集の抑制などの機能を持ちます。
② ロイコトリエン
炎症反応の調節やアレルギー反応の制御などに関与しています。
③ トロンボキサン
血小板凝集を促進することで、血液凝固の機能を担っています。
これらの誘導脂質は、炎症反応や免疫反応などの生体内の反応を調節する役割を持っています。過剰な誘導脂質の産生は、炎症やアレルギー反応、血液凝固の異常などの病態に関与することがあります。
脂質についてはこちらも参考にしてください。↓
2 脂質は運動時の重要なエネルギー源
運動時のエネルギー源といえば、まず糖質を思い浮かべる人が多いと思います。その考え方は間違ってはいませんが、脂質も重要なエネルギー源です。脂質もエネルギーであるという事を忘れないで欲しいです。
脂質は糖質と比較して大きなエネルギーを生み出します。生体内での貯蔵量も糖質の20倍近くあります。
3 糖質制限ダイエット
糖質の摂取量を抑えれば、上手に体脂肪を落とすことができるのです。しかし、実は遺伝子のタイプによって、糖質で太るタイプと脂質で太るタイプがいることを知っていましたか?
遺伝子に関する国際的な研究報告によると、なんと日本人の半分以上を占める56.8%が脂質の摂取過多によって太りやすいタイプがいるんです。そして、人によっては糖質制限はダイエット効果があまり見込めないことも!
自分のタイプを知ることが効率的なダイエットにつながるとのことです。一度自分がどのタイプなのか確認してみることがおすすめします。
体型によって太りタイプを判断することができます。まずは自分がどちらに当てはまるかチェック!
下半身がどっしりとして、皮下脂肪が多い【洋ナシ型】⇒脂質太りタイプ
内臓脂肪とは内臓周りについた脂肪のことで見た目にはあまりわかりません。皮下脂肪と内臓脂肪は違っていて指でつまむことができる脂肪のことです。
① 糖質太りタイプの特徴&対策法
お腹を中心に、体全体に脂肪がついたぽっちゃり体型が特徴の糖質太りタイプです。
炭水化物を多く含むご飯やパン、麺類、砂糖などの甘い物=糖質を大量に摂取した際に筋肉などに供給できない余分な糖が脂肪に変わって、体内に蓄積されたタイプ。
② 2つ以上チェックがはいる人は要注意!
□ ご飯をおかわりしたり、ラーメンにライスをつけることが多い。
□ コーヒーや紅茶には砂糖を入れる。
□ 炭酸飲料や甘いジュースをほぼ毎日飲む。
□ ラーメンやうどん、パスタなどの麺類をほぼ毎日食べている。
□ 手もちぶさただと、飴やガムを食べることが多い。
そんな糖質太りタイプのダイエット対策法は、適正な量の糖質を摂るロカボなどの糖質制限です。白米、小麦粉、砂糖をできるだけ控えましょう。そして、お酒なども糖質オフの商品や焼酎、ウイスキーなどを選んでみてください。
食事の最初に野菜を食べるベジファーストもダイエット効果的が期待できます。
③ 脂質太りタイプの特徴&対策法
下半身やヒップ、太ももなどの下半身が太りやすく、筋肉や骨がしっかりしています。下半身ガッチリ体型が特徴の脂質太りタイプです。
このタイプが糖質制限で肉中心の食生活をすると、脂質の摂取が過多になりやすくなります。むしろダイエットには逆効果になります。糖質制限で効果を得られなかった人は、脂質太りタイプの可能性が高いでしょう。
揚げ物など油の多い食事、スナック菓子などの間食が多いひと。皮下脂肪が溜まりやすくなってしまいます。下記のチェックリストから、思い当たる項目を改善することを意識することです。
□ バラ肉やベーコンを食べることが多い。
□ フライやから揚げ、カツ等の揚げ物が好き。
□ ポテト・マカロニサラダ、タルタルソースなどマヨネーズを使ったものが好き。
□ ご飯などの主食を減らしている。
□ 総菜や弁当を買って食べることが多い。
ダイエットの際は、肉の脂身、ベーコンやウインナーなどの加工品、マーガリンや揚げ物を控えることです。脂肪は魚類やオリーブオイルから摂取し、揚げ物は煮物や焼き物など調理法を変えてみましょう。
おすすめの食材は、レバー(豚・牛・鶏)、うなぎ、卵、納豆、牛乳、アーモンドなど。脂肪をエネルギーに変えるビタミンB2を多く含むもの。
また、ウーロン茶に多く含まれる「ウーロン茶ポリフェノール」は、脂肪の吸収を抑制するのです。積極的に取り入れるのがおすすめ。
4 隠れ脂を避けるべき食事はコレ!
糖質制限ダイエットで太らないとされている食べ物はヘルシーだと勘違いしている人も多いです。糖質制限ダイエットでOKの食べ物も、実は脂質が多いなど脂質太りタイプにとっては落とし穴が!
意外と脂質の多い食べ物を2択形式で紹介しますので、食事を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
- 牛丼(1人前)脂質22.9g>天丼(1人前)脂質12.0g
- 五目ラーメン(1人前)脂質23.8g>とんこつラーメン(1人前)脂質11.4g
- ウインナー(100g)脂質28.5g>牛タン(100g)脂質21.7g>ハンバーグ(100g)脂質13.4g
- 高カカオチョコレート(100g)脂質40.0g>ミルクチョコレート(100g)脂質17.5g
- ハムレタスサンド(100g)脂質9.1g>おにぎり2個(明太子・ツナマヨ100g)脂質2.6g
- 冷やしサラダうどん(100g)脂質15.8g>天ぷらそば(100g)脂質8.4g
「お肉ならいくら食べてもOK」「サラダうどんはヘルシー」「高カカオチョコならダイエット中も大丈夫!」というのは、脂質太りタイプにとっては大きな間違いです。なるべく避けるようにしましょう。
5 カロリー過多タイプ・食物繊維不足タイプ
糖質太り、脂質太り以外にも、デブのタイプがおります。複合的に太る原因になっている可能性もあります。チェックリストとアドバイスを読んで食の悪習慣を改善するきっかけにしましょう。
① カロリー過多タイプ
チェックリストに2つ以上チェックがはいる人は、そもそもカロリー過多がデブの原因かも。
□ 飲んだあとのシメめに、ラーメンや牛丼、アイスクリームを食べる。
□ アイスクリームやケーキなどの甘い食べ物やスナック菓子をほぼ毎日食べる。
□ 丼物やカレーなど一皿料理(単品料理)を食べることが多い。
□ お腹いっぱいになるまで食べる。
□ ほぼ毎日晩酌をする。
糖質と脂質の両方が多い傾向にあるのがこのタイプです。外食の際には丼のような1皿料理よりも、ご飯とおかずが別皿になっているものを選ぶようしましょう。
また、ゆっくり食べることが食べすぎの予防にもつながります。そのため、野菜や海藻など噛み応えのあるおかずを追加するのもいいですね。
ひき肉よりもステーキなど素材が大きくカットしてあるおかずを選ぶこと。噛んで食べることにつながるのでおすすめです。
脂質の吸収を抑えたり、糖の吸収を緩やかにしたりする植物繊維も積極的に取り入れることもお忘れなく。
② 食物繊維不足タイプ
食物繊維が不足していることもデブの原因に。こちらも、2つ以上チェックがはいったら要注意!
□ 便秘がち。
□ 食事はあまり噛まずに食べている。
□ 野菜は生野菜(サラダ)で食べることが多い。
□ 野菜や海藻を食べないことがある。
□ 食事に彩りがなく、茶色っぽい。
食物繊維不足が予想されるタイプです。野菜や海藻、きのこ、いも、豆に豊富な食物繊維を積極的に取り入れた食生活にしましょう。それは満腹感が生まれるため、食べすぎの予防につながったりします。食事の最初に食べることで糖の吸収を緩やかにしたりします。
また、食物繊維には余分なコレステロールを排出する働きも期待できます。毎食小鉢2皿を目標にしましょう。外食や総菜やお弁当を買うときも、彩りがよいものを選ぶことが野菜不足解消につながります
6 デブの原因になる生活習慣をチェック
食事内容と合わせて、デブの原因となる生活習慣を認識することもダイエット成功への第一歩。
特に、チェックリストで5つ以上当てはまる人はできるものから少しずつ改善する努力を。
□ 早食いだ(15分位で食べ終わってしまう)。
□ 朝食を食べない(1日2食になる)ことが多い。
□ 夜9時以降に食べることが多い。
□ ほぼ毎日外食をしている。
□ 3食のうち、夕食の量が一番多い。
□ おかずは魚よりも肉を食べることが多い。
□ タバコを吸っている。
□ ストレス解消法がない。
□ 睡眠時間が6時間未満である。
□ 運動はほとんどしていない。
□ 駅では階段は使わず、エレベーターやエスカレーターを使っている。
7 ダイエットで脂質を取らないとどうなる?
脂質は体の基本的な栄養素の一つで、以下のような重要な役割を果たしています:
① エネルギー供給
脂質はカロリーを提供し、体のエネルギー源となります。特に長時間の運動や断食中には、体は脂肪をエネルギーとして利用します。
② ビタミンの吸収
特に脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)は、脂質がなければ体内に吸収されません。
③ 細胞の構造
脂質は細胞膜の一部を形成し、細胞の健康と機能を維持するのに必要です。
④ ホルモンの生産
ステロイドホルモン(性ホルモンやコルチゾールなど)は脂質から作られます。
脂質を全く摂取しないダイエットは、上記の理由から健康的ではありません。脂質が不足すると、エネルギー不足、ビタミン吸収不良、細胞機能の低下、ホルモンの不均衡など、さまざまな健康問題が発生する可能性があります。
また、全ての脂質が同じではないことに注意が必要です。飽和脂肪やトランス脂肪は心臓病のリスクを高める可能性があるため、摂取量を制限することが推奨されています。
それに対して、不飽和脂肪(特にオメガ-3脂肪酸)は心臓病のリスクを下げ、健康を維持するのに役立つと考えられています。健康的なダイエットでは、高品質の脂質(魚、ナッツ、種子、オリーブオイルなど)を適度に摂取することが推奨されています。
8 オススメの脂質
健康に良い脂質は一般的に不飽和脂肪酸と呼ばれています。特にオメガ-3脂肪酸とオメガ-6脂肪酸が注目されています。以下に、健康的な脂質が含まれる食品の一部を挙げます:
① 青魚
サーモン、マグロ、サバなどの青魚は、心臓に良いとされるオメガ-3脂肪酸を豊富に含んでいます。
② ナッツと種子
アーモンド、ウォールナッツ、チアシード、フラックスシード(亜麻仁)などのナッツと種子は、健康的な脂質と食物繊維、プロテインを提供します。
③ オリーブオイル
オリーブオイルはモノ不飽和脂肪酸を豊富に含み、心臓病のリスクを減らす可能性があります。
④ アボカド
アボカドはモノ不飽和脂肪酸を豊富に含みます。また食物繊維やポタシウムも高く、健康に良いとされています。
⑤ 卵
卵は長い間コレステロールのために避けられていました。それが、現在ではその栄養価が再評価されています。卵黄には健康的な脂肪やビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
これらの食品をバランスよく摂取することで、健康的な脂質を適切な量で摂取することができます。ただし、脂質はカロリーが高いため、適量を守ることも大切です。
9 まとめ
糖質制限ダイエットはよく知られていますよね。自分の体に合っていないときには大きな落とし穴があるんですね。そのため、タイプに合わせたダイエット法を試してみてくださいね。
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ご自身の食べている内容を把握するには、数字を気にすることがダイエット効果を高めますので、参考にしてみてくださいね。
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