ペットボトル症候群にならないダイエット中に飲料水を飲むときの注意点とは?

これから夏が近づくにつれて、私たちの飲料水の消費量は確実に増えますよね。自動販売機の普及により、さまざまな飲料水を簡単に手軽に購入することが可能になりました。

現在、健康志向が高まり、ダイエットを含むライフスタイルの一環として、糖質オフやカロリーオフが多くの飲料水の販売ポイントになっています。

しかし、実際にはこれらの飲料には、私たちが見落としがちな様々な成分が含まれています。これらの成分を理解し、自分の健康やダイエット目標に最適な選択をするためには、購入する前に製品の詳細を調査することが重要です。

しかし、自動販売機から購入する際には、これらの詳細情報がすぐには見えないことが問題です。そのため、購入前にオンラインで調査することが賢明かもしれません。ここでは、各種ペットボトル飲料について詳しく紹介し、あなたが健康的で理想的な選択をする手助けをします。

この記事では、夏に向けたペットボトル症候群にならない飲料水の選び方、自動販売機での購入における注意点、そして健康志向とダイエットに焦点を当てた飲料選びについて詳しく説明します。健康とウェルネスに関心があるあなたにとって、この情報は有益なガイドとなりますよ。

1 ペットボトル症候群とは?

炭酸飲料や清涼飲料水の多飲により吸収の早い糖類が高血糖状態をまねくことをいいます。

特に暑い時期に、このような清涼飲料水をたくさん飲むと急に血糖値が上がり、さらにのどが渇いて、また清涼飲料水を飲むという悪循環に陥りやすいのも特徴です。

血糖値の急上昇により重度の場合、意識朦朧・昏睡などの症状を呈すこともあります。のどが渇いた時の水分補給は水や白湯にしましょう。

 

2 清涼飲料水ケトーシスは別名ペットボトル症候群と言う

医学的には「清涼飲料水ケトーシス」といい、「ペットボトル症候群」は糖尿病の自覚のない人が糖尿病の症状のひとつである「喉の渇き」のため、砂糖が入ったペットボトル入りの飲料を多飲していたためにつけられた造語です。

ペットボトル入りの飲料すべてが原因になるわけではありません。近年ではミネラルウォーターやお茶飲料、炭酸飲料などでも無糖のものが多くなっており、パッケージに記載の栄養成分表示を参考にしましょう。

「清涼飲料水ケトーシス」は、少なくても1カ月以上、10%程度糖分を含む清涼飲料水を毎日、1.5ℓ以上飲んで、急激に血糖値のあがるケトーシス(糖尿病の中でも血液中のケトン体が増えている重たい症状)になることで、症状としては、著しい喉の渇き、体重減少、倦怠感が出たりします。ひどくなると、意識がもうろうとし、昏睡状態に陥ることもあります。

詳しくは「健康のためかしこく飲みましょう」をご確認ください。

こんな方は専門の医療機関へ受診をオススメします!
  • 異常に喉が渇く(暑さや運動に伴う喉の渇きとは異なります)
  • 尿の量が増える(尿糖が上昇するので排出するために尿が増えます)

 

3 清涼飲料水ケトーシスを発症する原因

ケトーシスとは、体がエネルギーを獲得するために脂肪を分解し、それにより生成される「ケトン体」が血液中に増える状態を指します。これは通常、炭水化物の摂取が不足した時や断食、または極度の運動後などに起こります。

清涼飲料水(ソフトドリンク)がケトーシスを引き起こす主な理由は、多くのソフトドリンクが糖分を含んでいることです。

糖分を大量に摂取すると、一時的に血糖値が上昇します。しかし、糖分の摂取が止まった後(特に摂取量が多かった場合)、血糖値は急速に下降し、体はエネルギー源として脂肪を使用し始めます。これによりケトーシスが発生する可能性があります。

しかし、一般的にはソフトドリンクの摂取だけでケトーシスが引き起こされることはまれで、通常は低炭水化物ダイエットや断食など、他の食生活の要素が組み合わさることで発生します。

また、糖尿病などの特定の医療状況下では、ソフトドリンクの過剰摂取がケトーシスを引き起こす可能性もあります。

 

4 ペットボトル症候群の主な症状

ペットボトル症候群は、大量の水分を短時間に摂取することで体内のナトリウム濃度が低下し、低ナトリウム血症を引き起こす状態を指します。低ナトリウム血症の主な症状は以下の通りです。

  1. 頭痛:ナトリウム濃度が低下すると、脳の細胞が水分を取り込み過ぎて膨張し、これが頭痛を引き起こす可能性があります。
  2. 吐き気と嘔吐:ナトリウム濃度が急激に変化すると、胃や腸の機能が乱れ、吐き気や嘔吐を引き起こすことがあります。
  3. 疲労感と無気力:低ナトリウム血症はエネルギー代謝に影響を与え、疲労感や無気力を引き起こす可能性があります。
  4. 手足の痺れ:ナトリウム濃度が低下すると神経伝達が乱れ、手足の痺れなどの神経症状を引き起こす可能性があります。
  5. 意識障害:重度の低ナトリウム血症では、混乱、昏睡、意識レベルの低下、稀に昏睡や昏迷を引き起こすことがあります。
  6. けいれん:極端な場合、低ナトリウム血症は脳の神経細胞の機能を乱し、けいれんを引き起こす可能性があります。

これらの症状は緩徐に発症する場合と急激に発症する場合があります。どちらの場合でも、これらの症状が現れたらすぐに医療機関に連絡することが重要です。

「ペットボトル症候群」は、過剰な水分摂取による低ナトリウム血症を指す言葉です。短時間で大量の水分を摂取することで、体内のナトリウム濃度が低下し、頭痛、吐き気、手足の痺れ、意識障害などの症状を引き起こします

 

5 ペットボトル症候群は10~30代の若者に多い理由

10~30代の若者に多いとされる理由は複数考えられます

① 健康志向

若い人々は健康に対する関心が高く、水分補給を重視する傾向があります。しかし、適切な知識なしに大量の水分を摂取すると、ペットボトル症候群を引き起こすリスクがあります。

② スポーツや運動

若者はスポーツやフィットネス活動に参加することが多いです。これらの活動中に大量の水分を急速に補給すると、ペットボトル症候群のリスクが高まります

③ 社会的な要因

大量の水分を摂取することが「健康的」であるという社会的なイメージがあります。特に若者は社会的な圧力に影響を受けやすく、適切な知識なしに大量の水を飲むことがあります。

④ 利便性

ペットボトルの飲料は持ち運びやすく、どこでも手軽に飲むことができます。この利便性が過剰な水分摂取を引き起こす可能性があります。

ペットボトル症候群は重篤な症状を引き起こす可能性があるため、適切な水分補給についての理解と注意が必要です。適切な水分摂取量は個々の体重、活動レベル、気温などにより異なりますが、一般的には成人男性で1日約2リットル、成人女性で1日約1.6リットルが推奨されています。

 

6 飲みすぎ注意!糖質量が多い飲み物

以下に、いくつかの清涼飲料水に含まれる糖質の量を示した表を作成しました。これらの情報は、各飲料の500ml缶に含まれる砂糖の量を角砂糖(一個4g)に換算したものです。

清涼飲料水 角砂糖の個数
コカ・コーラ 16個分
ファンタ グレープ 16個分
カルピス 18個分
ポカリスエット 8個分
アクエリアス 6個分
いろはすリンゴ 5個分

この表からもわかるように、清涼飲料水には多量の糖質が含まれており、それがケトーシスの原因となる可能性があります。

日本糖尿病学会の勧告では、1日の糖類の摂取量は1日の摂取カロリーの5%未満にするようにとのことです。一般的な成人の場合だと90~100kcalになり、角砂糖に例えると4.7~5.2個に相当します。

しかし、コカ・コーラの例を見ると、500ml缶一本でその3倍以上の糖質を摂取することになります​​。

 

7 「カロリーゼロ」「ノンシュガー」「無糖」の落とし穴

「カロリーゼロ」「ノンシュガー」「無糖」といった表示がされた商品は、一見健康的な選択肢と思われがちですが、それらが必ずしも健康に良いとは限らないという落とし穴があります。

① カロリーゼロ

「カロリーゼロ」表示の商品は、その名の通りカロリーがゼロ、または非常に低いという意味です。しかし、カロリーがゼロでも他の栄養素(例えば、ナトリウムや糖質)が含まれている場合があります

また、カロリーがゼロの飲食品を摂取しているからといって、その他の飲食から摂取するカロリーを無視できるわけではありません。

② ノンシュガー

「ノンシュガー」や「無糖」の表示は、その商品に砂糖が含まれていないことを示しています。しかし、これは「糖質が含まれていない」こととは異なります

砂糖以外の糖質(例えば、フルクトースやデキストリン)が含まれていることがあります。さらに、無糖の商品は人工甘味料を使用していることが多く、人によってはこれが体質に合わない場合もあります。

③ 無糖

「無糖」は砂糖が含まれていないことを示していますが、他の種類の糖質(例えば、フルクトースやデキストリン)が含まれていることがあります

また、無糖の商品はしばしば人工甘味料を使用していて、これが体質に合わない場合もあります。また、無糖飲料は、消費者が「健康的な選択」であると誤解しやすいですが、無糖飲料は必ずしも健康的であるとは限りません

以上のように、飲食品のラベルを理解し、全体的な飲食バランスと生活スタイルに適合するような選択をすることが重要です。また、飲食品の選択は一部分のみを見るのではなく、全体的な栄養バランスを考えることが必要です。

 

8 「カロリーオフ」「糖質オフ」にも要注意

「カロリーオフ」と「糖質オフ」は、食品や飲料のラベルによく見られる表現で、それぞれカロリーと糖質の量が制限されていることを示します。これらの表現は、消費者が健康的な食生活を送るための選択を補助することを目的としています。

① カロリーオフ

これは製品が通常のバージョンよりも低カロリーであることを示します。一般的に、”カロリーオフ”の製品は糖分や脂肪を減らすことでカロリーを削減します。これは、体重管理やダイエットに関心がある消費者にとって魅力的な選択肢となります。

② 糖質オフ

これは製品が通常のバージョンよりも低糖質であることを示します。糖質は主に炭水化物から摂取され、体内でエネルギー源として利用されます。

しかし、過剰な糖質摂取は肥満や糖尿病などの健康問題を引き起こす可能性があります。そのため、糖質制限ダイエットを行っている人や糖尿病を管理している人などにとって、”糖質オフ”の製品は有用です。

それぞれのラベルは、製品の栄養成分を評価するための一要素ですが、全体的な食事のバランスや生活スタイルを考慮することも重要です。

また、「カロリーオフ」や「糖質オフ」の製品でも、他の栄養成分(例えば、脂肪や塩分)が過剰に含まれている可能性もあります。そのため、食品の選択をする際には、全体的な栄養バランスを見ることが重要です。

 

9 「カロリーオフ」「糖質オフ」の糖質はどれくらいか?

「カロリーオフ」や「糖質オフ」の飲み物に含まれる糖質の量は製品ごとに異なります。以下にいくつかの製品の糖質量を示します:

飲料名 糖質 (g) カロリー (kcal)
サントリー「ペプシジャパン コーラゼロ」 0 0
サントリー「ペプシスペシャル」 0 0
Meiji「カロリーゼロVAAM クリアアップル」 3.7 0
コカ・コーラ「コカ・コーラ ゼロ」 0 0
コカ・コーラ「アクエリアス ゼロカロリー」 0.7 0

これらの製品は「カロリーオフ」または「糖質オフ」を謳っていますが、その中でも糖質の含有量は0gから3.7gと幅広いことが分かります。

一方、一般的な清涼飲料水の糖質含有量を見ると、砂糖の量がかなり多いことがわかります。例えば、コカ・コーラの500ml缶には16.5個分の砂糖が含まれているとされています​2​。

したがって、「カロリーオフ」や「糖質オフ」の飲み物は、一般的な清涼飲料水に比べて糖質の含有量が大幅に少ないと言えます。ただし、全く糖質が含まれていないわけではなく、製品によっては一定量の糖質が含まれていることを覚えておいてください。

また、日本糖尿病学会は1日の糖類の摂取量を1日の摂取カロリーの5%未満にするよう勧告しています。一般的な成人の場合はだと90~100kcalになり、角砂糖に例えると4.7~5.2個に相当します​。

以上の情報から、「カロリーオフ」や「糖質オフ」の飲み物を選ぶ際は、パッケージの表示をよく確認し、糖質の含有量をチェックすることが重要です。また、これらの飲み物を飲むことで糖質を全く摂取しないわけではないので、その点も理解しておくと良いでしょう。

さらに、糖質摂取量については、個々の飲み物だけでなく、1日全体の飲食における糖質の摂取量も考慮することが重要です。特に、糖尿病や予備群の方は、飲み物だけでなく、食事全体での糖質の摂取量を管理することが大切です。

最後に、糖質オフやカロリーオフの飲み物が健康的であるとは限らず、必ずしも体重減少や健康改善につながるわけではありません。飲み物の選択は、全体的な飲食バランスと生活スタイルに適合するように行うことが最も重要です。

 

10 夏に向けた飲料水の選び方

夏に向けて適切な飲料水を選ぶ際には、以下のポイントに注意を払うと良いでしょう。

① 水分補給

暑い季節には汗をたくさんかくため、十分な水分補給が必要です。清潔な水を主な水分源とし、日々の推奨摂取量を確保するようにしましょう。

② 電解質

汗と一緒に失われる電解質(ナトリウム、カリウムなど)も補給することが重要です。スポーツドリンクやココナッツウォーターなどは電解質を補給する良い選択肢となることがあります。ただし、含まれる糖分やカロリーには注意が必要です。

③ 糖分とカロリー

甘い飲料やフルーツジュースにはたくさんの糖分やカロリーが含まれています無糖の飲料や低カロリーの飲料を選ぶことで、カロリー摂取量を抑えつつ適切な水分補給を行うことが可能です。

④ カフェイン

コーヒーやティーなどのカフェインを含む飲料は、利尿作用により脱水症状を引き起こす可能性があります。カフェインの摂取は適度にし、十分な水分補給を心掛けましょう。

⑤ アルコール

アルコールも利尿作用があり、脱水症状を引き起こす可能性があります。暑い日にはアルコールの摂取を控えめにし、十分な水分補給を心掛けることが重要です。

これらの点に注意しながら飲料を選ぶことで、夏の暑さを健康的に乗り切ることができます。

 

11 自動販売機での購入における注意点

自動販売機で飲料を購入する際のいくつかの注意点を以下に挙げておきます。

① 栄養情報の確認

自動販売機では、製品の栄養成分表を直接見ることが難しいです。ですから、特定のダイエットや健康目標を持っている場合、飲料の糖分、カロリー、カフェインなどの成分を事前に調べることが重要です。

② 価格

自動販売機での価格は、一般的にスーパーマーケットや他の小売店よりも高い場合があります。購入する前に価格を確認し、必要に応じて他の購入場所を検討してください。

③ 商品の新鮮さ

自動販売機の商品の消費期限を確認するのは難しいですが、特に果物ジュースや乳製品を含む飲料は新鮮さが重要です。定期的に補充され、よく管理されている自動販売機を利用することをおすすめします。

④ 機械の清潔さ

自動販売機自体の清潔さも重要です。飲料のノズルや取り出し口が清潔であることを確認してください。

⑤ 環境への影響

自動販売機の飲料は多くの場合、一回使い捨てのプラスチックボトルやアルミ缶に入っています。可能なら、環境に優しい選択肢(リサイクル可能な容器、または自分のリフィル可能な水筒)を選んでください

以上のような点に注意を払いながら自動販売機を利用することで、健康的で安全、かつ環境に配慮した選択をすることが可能になります。

 

12 まとめ

いかがでしたか?

人間の体は約60%〜70%が水で構成されています。これは、私たちが摂取する飲料が健康に与える影響が大きいことを示しています。

ダイエット志向の方々は特に、糖質やカロリーオフの飲料水を選んでいますが、それらの飲料でも様々な成分が含まれています。そのため、不純物の少ない水や白湯が安心できる選択と言えます。

それでも、毎回同じ飲物だと飽きてしまうのは理解できます。甘い飲み物は特に、飲みやすくてつい大量に飲んでしまいがちです。しかし、これは血糖値の急上昇を引き起こし、健康に影響を与える可能性があります。少量ずつ飲むことを心がけると良いでしょう。

夏場は特に、喉の乾きを感じやすく大量の飲料水を摂取しがちです。しかし、それは糖質の摂取量も増加させ、ダイエットにとっては打撃となります。一日に摂取する飲料水の量に目安を設けることで、ペットボトル症候群と呼ばれる症状の発症を避けることも可能です。

私たちが摂取する飲料水は健康に大きな影響を与えます。ダイエットを成功させ、健康を維持するためにも、飲むべき飲料とその量について知識を持つことが重要です。

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